資材高騰でも追加請求できる?知らないと損する「おそれ情報」制度【2026年】
令和6年12月に施行された建設業法改正で、資材価格高騰時に工務店が施主に事前通知する「おそれ情報」制度が始まりました。施主として知っておくべきポイントを解説します。
ユニットバスの納期未定化、断熱材・塗料の連鎖値上げ、H形鋼の高止まり——2026年に入ってからも、住宅建築をめぐる資材高騰のニュースは止まりません。
こうした状況の中、施主と工務店の関係を整理する新しいルールが、すでに施行されているのをご存じでしょうか。2024年12月13日に施行された改正建設業法の「おそれ情報」制度です。契約後の予期しない追加費用に関わる重要なルールでありながら、施主側にはほとんど知られていないのが実情です。
「おそれ情報」とは何か
一言で言うと、資材価格の高騰や労務費の上昇が起きそうな場合に、工務店が施主に事前に通知しなければならない義務です。
国土交通省の改正建設業法では、以下のような場合を「おそれ情報」の対象としています。
- 主要な資機材の供給不足・価格高騰が見込まれる場合
- 特定の工事種別における労務費の上昇が見込まれる場合
これらは「天災その他自然的または人為的な事象」、つまり発注者・受注者どちらの責任でもない事象が対象です。たとえば中東情勢によるナフサ不足や、メーカーの値上げ発表などが該当します。
施主にとって何が変わるのか
これまでは、資材価格が契約後に急騰しても、価格転嫁の協議をどうするかのルールが曖昧でした。「契約金額は契約金額」と工務店が泣き寝入りするケースもあれば、施主が突然の追加請求に戸惑うケースもありました。
改正後は、以下の流れが明確になりました。
①契約前:工務店が「おそれ情報」を通知する 価格高騰の懸念がある場合、工務店は契約締結までに施主へ書面やメールで通知する義務があります。
②契約後に実際に高騰した場合:協議を申し出ることができる 通知していた事象が現実になった場合、工務店側から請負代金の変更協議を申し出ることができます。
③施主は協議に誠実に応じる努力義務がある 施主側も、正当な理由なく協議を拒否できなくなります。
つまり、リスクは「契約時点で見える化される」ことになりました。事前通知のなかった事象について突然追加請求される心配は減りますが、通知された事象については後から協議のテーブルに着く可能性があるということです。
施主として何を確認すればよいか
契約時に以下の点を確認することをお勧めします。
契約書の確認事項
- 資材高騰時の「変更方法」が契約書に記載されているか(今回の改正で法定記載事項になりました)
- 工務店から「おそれ情報」の通知を受けた場合の対応フローが説明されているか
見積時の確認事項
- 現時点で懸念される資材高騰リスクがあるか
- 見積金額に含まれる資材の価格前提はいつ時点のものか
- 見積もりの有効期間はいつまでか
特に2026年現在は、ユニットバス・断熱材・樹脂建材・鉄鋼など複数のカテゴリで値上げや納期遅延が同時進行しています。「おそれ情報」の対象になりやすい時期だからこそ、契約前の確認は丁寧に行うべきです。
まとめ:資材高騰リスクは「見える化」できる
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 資材高騰リスクの通知 | 義務なし | 契約前に通知義務あり |
| 高騰時の協議 | ルール不明確 | 協議申し出・誠実応答が義務化 |
| 契約書への記載 | 任意 | 変更方法の記載が法定化 |
家づくりの費用は、契約時点の金額だけで決まらないことがあります。「おそれ情報」制度を理解した上で、工務店と透明性のある契約を結ぶことが、家づくりを安心して進める第一歩です。
打ち合わせの前段階として希望条件を整理しておきたい方は、間取りシミュレーターで自分のイメージを形にしてみてください。仕様が固まっているほど、工務店が在庫を確保しやすく、「おそれ情報」の対象になる前に資材を押さえやすくなります。